第3章 じわじわ。 ※特におかしい掃除屋
「 。お前の魔法の性質上指先で発動させる利便性は理解したんだぞ?」
「たださ、指の場所が悪かったな。うん。」
「左薬指ってのは、ホールじゃ愛する人にしか明け渡しちゃいけない指なんだ。」
「俺たち以外のヤツに許しちゃうなんて、 さんも不用心だよなァ。」
「ご、ごめんなさい…これからは、気をつけるから…。」
ゆるやかな毒のように、刃がゆっくり心臓に食い込むように、左右から浴びせられる言葉。
昨晩から続く二人の理不尽な物言いは、精神的にも肉体的にも責められ疲弊した のココロを蝕む。
「だが手術は予定通り行われちまう。」
「二人で考えて、いっぱい考えて…先輩と一緒にするのはどうかって考えたんだ」
「自分の事なんざ当たり前すぎて気付かなかったんだよな。」
「い…っ」
能井がサイドテーブルに置いてある の指先の入った小瓶をうっとりと見つめ の頭を撫でた。
心はツギハギだらけの自身の手を の左手に重ねると、
それだけで包帯の下にある傷口の塞がっていない薬指に激痛が走り の身体が強ばった。
「ああっ。先輩、 さんが痛がってますよ。」
「悪いわるい。だがよ……。」
「そんな さんも可愛いんだよなァ。」
「…の、ぃちゃ……ふ…っ」
の涙を能井が舌で掬い舐め、愛おしむようにキスをして舌を絡める。
その間に包帯を解かれ、剥き出しになった左薬指の雑な切断面を心の指がイジる。
「あ"ッ!? 痛…やだ……心…ッ」
「この痛みは俺達のココロの痛みだ。我慢できるよな?」
「む……っごめ…んなさ……ごめんなさい…ッ。」
「いい子だ…んっ」
「あっ! 先輩ズルいっすよ一人だけ。」
「ン"っ!? ぁ…ゃ"……め…んっ…なさ…ごめんなさひぃ"…!!」
今度は心と舌を絡めながらも心と能井によって指が、血が、骨が肉が、魔法の噴出孔までも蹂躙されていく。
たぶん。おそらく。いや絶対に。この二人はどの部分が手術されようと同じ事をしていた。
それが と心と能井の関係だからだ。
………