第7章 今日からお世話になります
渡された書類には、住所、郵便番号、氏名、性別、生年月日、年齢、連絡先を書かなければならず。
住所と郵便番号の欄を空白のままにしている事。
近い内に、それを鳥居先生に相談しようとしている事。
そんな事を考えていたら、自分の居るべき場所がどこなのか、分からなくなりかけてしまっていた事。
そして、仲間という温かい言葉が、自分には似つかわしくないと感じてしまう事。
そこまで全てを打ち明けた。
まだ隠している事はある。
だからこれは、私の自己満足にすぎないのかもしれない。
けれど、打ち明けてしまって、どこかすうっと、胸のすくような感じがした。
こんな事を言ってしまって、二階堂さんと和泉さんは、良く思わないんじゃないか。
困らせてしまうのではないか、という後ろめたさはある。
でもお二人は「今」の私の事を信用して下さっているのだから。
きっと、きっと、悪く思わないでいて下さるに違いない。
それは、私の中で無意識に、皆さんの存在が少しずつ大きく育っていって、私自身も皆さんの事を信じている証拠なのだけれど。
その事に気づくのはもう少し先の話だ――。
二階堂さんと和泉さんは、テーブルの椅子に腰掛けて、ふむ、と本格的に悩み始める。
「一華ちゃんが悩みを話してくれて嬉しいけどな。お兄さん、なんて言ってあげるべきか分かんねえわ。仲間って言われる事自体、イヤって訳じゃないんだろ?」
「あ、はい、嫌ではないです。でも、私には勿体ないお言葉なんです」
二階堂さんの問いかけに答えると、今度は和泉さんから問いかけが投げかけられる。
「そう感じてしまうのは、ご自分に自信が無いからでは? 私はもっと単純になっても良いと思いますよ。七瀬さんは、いささか単純過ぎる所がありますけど」
そこで陸くんの名前が出る所が、和泉さんの陸くんに対する信頼と、彼なりな優しい所だなと微笑ましく思いながらも。
私も頑張って、真面目に考えてみる。
「単純に、ですかあ。ちょっと難しいんですよね、あんまり自分の事好きじゃ無いですし、どちらかと言うと多分、私は考え過ぎてしまう方の人間ですし」
あ、和泉さん髪乾かさなくて良いんですか、とそこで突然ながら思い出したように問いかける。
和泉さんからは、今は私の髪よりあなたご自身の事を心配して下さい、と言われてしまった。
