第2章 アジトにて
夢主side
私の能力を聞いて嫌悪感を示さない人は今までいなかった。
病を治すだけなら、きっと良かったのかもしれない。
でも、病を与えるなんて__
『…スタンドは極力つかいません。みんなの怪我を治したりはします。
あとは雑用をやります。宜しくお願いします。』
頭を下げてみんなの顔を見ずに部屋を出た。
ベッドのある部屋に戻り、布団の中に潜り込む。
私はこのチームに溶け込めるんだろうか。
いや…こんな得体の知れない女、きっと邪魔なだけだろう。
かといって、ジョルノのところには戻りたくない…
ぎゅっと目を閉じた。
暫くしたら部屋をノックする音が聞こえる。
返事をしないでいると、誰かが入ってきた。
「寝てるフリか?…少し酒飲むくらい、付き合えねぇのかよガキが。」
え…
「俺はプロシュート。あのな、夢主だったか。お前、自分のスタンドくらい自分で認めてやれ。ここにいる連中は汚ねぇ仕事にスタンドを使ってるが、皆んな誇りをもってる。」
布団から顔を出す。
「やっぱり狸寝入りかよ。」
『プロシュートさん…それってどう言う意味ですか。』
プロシュートさんの眉間に皺がよる。大きくため息をついてから私の顎を掴むと、プロシュートさんが顔を近づけてきた。
「お前アホか?テメェ一人であんまり背負いこむなっつってんだよ。ここは訳ありの連中しかいねぇ。そんな中でテメェ一人だけ悩んでるみてぇな顔してるから、心配してやってんだよ!!」
『!は、はい…』
プロシュートさん…怖そうだけど、心配してくれるなんて…。
『ありがとう。』
そう言うと、「フンッ」とそっぽを向いてプロシュートさんが部屋から出て行った。
私はなんだか、胸が温かくなった。