第3章 あの子
メローネside
夢主が来てから一ヶ月が経った。
彼女は既に、チームに溶け込んでいた。
彼女がいると、何故かその場の空気が和み自然と皆んなの顔も綻ぶ。
そんな女性だ。
そして…
『プロシュート兄ぃ。今日行くピザ屋さんもう開いてるかな?』
「まだ早いに決まってんだろ。…ったく、そんな食ってると太るぞ。豚みてぇにな。」
『…意地悪。』
「チッ…分かったよ。おいペッシ!!オメェも行くぞ!」
「えっ…、お、俺もいいのかい!?アニキの奢りですか!?」
意外なことに、プロシュートと特に親しくなってる。
でも、それだけじゃあなくて…
「あ!リーダー!」
夢主の顔が輝く。
『リゾットさん!おかえりなさい。』
「……ああ。」
どうやら、夢主はリゾットに好意を持っているようだった。
一見プロシュートと仲が良いけど、彼に対する感情は恋愛じゃあない。
表情で分かるんだよね。
でも不思議なことに、夢主はその好意を決して他のメンバーに悟られないように隠しているように見えた。
『リゾットさんも、ピザ食べに行きませんか?』
「…いや、まだ仕事が残っている。」
リゾットは彼女が来てから何か様子がおかしい。
何か時々、深く考えこんでいるように見えた。