第2章 アジトにて
夢主side
『ん……』
あれ…私、確かリゾットさんといて…。
そうだ…!
一人の男が突然襲ってきたんだ。
「目が覚めたか。」
咄嗟に飛び起きる。
『いたっ…』
まだ、頭が痛い…。
ベッドサイドの椅子に、リゾットさんが座っていた。
「安心しろ。ここは暗殺チームのアジトだ。
お前が気絶したから運んできた。」
『あ、ありがとうございます…。
さっきはほんとに迷惑かけてすみませんでした。』
「…昨日の借りを返しただけだ。」
そう言って目を逸らすリゾットさん。
驚いて見つめてしまった。
「何だ。」
『いえ、リゾットさんって優しいんだなと思って…。』
リゾットさんが一瞬目を見開いて、すぐにポーカーフェイスに戻った。
ジョルノやブチャラティは、暗殺という仕事に嫌悪感を示していた。
でも……。
「それよりお前の能力、想像以上に厄介だな。
お前を利用しようとする人間はこれからどんどん出てくるだろう。」
『あの、リゾットさん。
…私を、ここに置いてくれませんか?』
リゾットさんは少しの間沈黙して、そして口を開いた。
「残念だが、それはできない。俺達は暗殺を専門とするチームだ。今日は運が良かったが、ボスの元で護衛してもらった方がいい。」
『雑用でも、何でもいいんです…!邪魔にはならない様にしますし、暗殺のお手伝いも……』
言いながら口をつぐむ。
「女のお前がいるべきところじゃあない、夢主。今日はここに居ても構わんが、明日には支度をしてボスの元に戻れ。」
そう言って立ち上がろうとするリゾットさんの服の裾を掴んだ。
『もう、ジョルノ達の元へは戻りません。』
「何故だ。」
『…理由は、色々あります。』