第1章 出逢い
「…!」
次の朝目覚めると、真っ白なシーツの中で眠っていた。バッと起き上がる。
不思議と、昨日の傷はそれ程痛まなかった。
だが…暗殺者としての生活の中で熟睡することなど殆ど無い俺が、珍しく熟睡してしまったのか…?それも知らない女の家で…
そうだ、確かあのジャポネーゼの女と出会って…
その時、ガチャリとドアが開く。
『!…良かった。もう顔色がいいですね。リゾットさん。』
女が俺に駆け寄ってきた。
その言葉に眉をひそめる。
女がベットサイドの椅子に腰をかけた瞬間、その細い手首を引っ張った。
『!?』
女の首に右腕を回し、左手でメタリカで作り出したナイフを女の首に押し付ける。
女が息を呑んだのが分かった。
「これからいくつか質問させてもらう。お前…いい家の娘だな。まともな生い立ちだ。何故こんな治安の悪いイタリアのマンションの一角で一人暮らしをしている。」
『言いましたよね…逃げてきたって。色んなことが嫌になったから、一人でここにいるの。』
「そうか…。なら二つ目の質問だ。
_____お前、何故俺の名前を知っている。」
『え…』
そうだ。覚えている。
俺は昨夜、自分の本名を絶対に名乗っていない。
なのにこの女は俺の名前を呼んだ。
やはりスタンド使いか。