第10章 恋人同士
*
「はい、はさみ。お風呂沸かしてくるね。」
「ありがとう。」
家に帰り、渡されたはさみで値札を切る。
「…」
「可愛いねその下着。」
「!?…」(び…っくりした…。)
「フフッ…お風呂の温度41でいい?」
「あ…だ、大丈夫…。」
「ん、じゃあ沸くまでもうちょっと待っててね。」
私の頭を撫で、横を通り過ぎた。
「…はさみ、ありがとう。どこ置いておけばいい?」
「ん、そこの引き出しにしまっといて?」
「わかった。」
はさみを引き出しにしまった。
「こっち来て?」
「…?」
黒河さんはソファーに座って腕を広げていた。
「いいから、おいで?」
「…」
私は黒河さんの前に立った。すると黒河さんは私を抱きしめた。立っていたためお腹あたりを抱きしめられた。
「ねえ、好きだよ?」
「//////」
「好き。」
「…好き…です…/////」
「フフッ…ありがと、嬉しい。ねぇ、ここ座って?」
膝の上に座るように言われた。
「お、重い…から…。」
「大丈夫、重くないよ。」
「…」
「やだ?」
「…やだ。」
「あら残念。」
黒河さんは、強制的に何かをさせたりしない。嫌だと言ったらやめてくれる……興奮していない時以外は…。