第10章 恋人同士
「…」
「…」
私はボーっとテレビを見ていた。黒河さんはお仕事中。私がいる時はノートパソコンをリビングに持ってきて仕事をしてくれる。
「…」
「…」(なんか…眠くなってきた…。)
瞼が重い…。
ソファーの背もたれに寄りかかり、少し目を閉じる。寝ないつもりだったのに、そのまま夢の世界へ落ちて行った。
*
「んっ…。」
「…起きた?」
「…!」
起きてすぐに時計を見る。19時20分。
「…ごめん…なさい……寝ちゃって…た…。」
「ううん、全然?ベッド連れて行こうと思ったんだけど…起きちゃうかなって…思って…。」
肩まで毛布がかけられていた。
「…あ…ありがとう…。」
「ううん、今日泊まってく?」
「…ん、帰る…。」
「…帰っちゃうの?」
「ん…明日…飲み会で優衣が家まで迎えに来てくれることになってる…し…。」
「俺が送ってくから。」
「…でも…」
「俺がまだ一緒にいたいの、ダメ?」
「!……と…泊まっていく…。」
「ほんとに?やった~!」