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ー 甘美な甘さと熱の疼き ー 《リヴァイ》

第8章 愛とこの熱さと温もりの意味【前編△】



鋭い目付きをしながら聞いてくる兵長に私は不思議に思いながらも素直に言葉を発する。


「…はい。同意の元ですし、噛み跡に関しては彼の好きなようにさせました。」


私の言葉に兵長は眉をグッと顰めて再び問いかけられる。


「…それにしては随分酷い噛み方だが?」

「…そうですか?血も出てないですし。」


ただ青黒くなっていて噛み跡があるだけの程度。
少々痛むだけなので日常生活に支障は無いし、訓練にだって何も不自由や失態すらしていない。

なのに…何をそんなに気にする必要があるのだろうか。

兵長は私の返答により一層眉を顰めているが小さく息を吐いて言う。


「…血が出ていなくても青黒くなってるのを放ってはおけねぇ。小さな傷口から菌が入り込む可能性だってある。しっかりハンジに診察と手当して貰え。」


そう言って私の隣を横切っていく兵長に私は「分かりました」とだけ言って再び首元へと手を置く。

そんなに酷い感じなんだろうか…。

まあ、いっか…兵長の言う通りハンジさんに診てもらおう。

そう思って訓練が終わり次第、すぐさまハンジさんの部屋へと伺った。





__________________ …






ハンジさんの部屋の前に立って扉をノックすれば、中から慌ただしく返事をしガチャリとドアが開いた。


「…あれ?君って…104期生の…」

「…・です。」


表情を変えずに自己紹介をするとハンジさんは「あぁ〜!ね!」と元気よく言い中に入るようにと招いた。

相変わらず明るくて…でも巨人馬鹿でリヴァイ兵長が手を焼いている人だけど…討伐に関してはやっぱり幹部だなと思わせる腕だ。

ハンジさんはニコッと笑い、自分の目の前にある丸椅子に座ってっと示され静かに腰を落とす。


「それで…今日はどうしたのかな?」

「…これを診て貰ってこいと言われて」


襟元をグイッと人差し指と親指で掴んで横へずらし、青黒くなっている箇所をハンジさんに見せる。


「どれどれ…、おお…これはまた凄い噛み跡だねぇ。」


身をかがめて私の首元を見つめながらそっと指先で噛み跡をなぞられビクッと肩が跳ね上がる。

その様子にハンジさんが心配そうに聞いてきた。
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