第4章 氷のような瞳に熱を
「なっ…!?」
兵長の言葉に目を見開いて思わず視線を向ける。
するとそこにはまたあの優しい目と表情が写って…。
どんどん訳が分からず頭が困惑して足が止まってしまう。
「な、何言ってるんです…かっ…!頭おかしいんじゃ…」
「あ?正直に言ったまでだ。それなのに頭おかしいとは傷つくじゃねぇか。」
「っ…!?…やめて…ください…っ」
俯きながら歯を食いしばり否定の言葉を言えば、兵長は平然と止まっている私に近づいてくる。
「何故だ?」
「っ…嫌…だからです…」
「…ならどうして目線を合わそうとしねぇんだ?嫌なら俺の顔見て言え。」
コツコツと兵長の近づいてくる足音に心臓がどうしてか慌てだすように鳴り響く。
いつもの冷静な…表情すら…変えない私が…今は ____ 。
「。」
コツンっと靴音が鳴り響いたのと同時に目の前にもう兵長が立っていて…
名前を呼ばれて顎に手が添えられる。
振り払う事が出来ないままクイッと上を向かされ、兵長と視線が絡み合えば……
「…クス。よ、その面は嫌って顔じゃねぇな。」
嬉しそうな満足そうな兵長の表情が瞳いっぱいに埋めつくした。