第10章 愛とこの熱さと温もりの意味【後編△】
またあの優しい表情をして言う兵長に目を奪われ、胸の辺りが小さく音を立てる。
「っ、い…行ってらっしゃい…」
どうしてか気恥ずかしくなって目を逸らして言うと兵長はフッと小さく笑って「ああ。」と返事をして部屋を出て行った。
本当に…何であんな表情をするんだろう。
それに対して私は…顔が熱いし、心臓が煩い。
「な、何なんだ…一体…」
目元にタオルを当てながら一人部屋で唸るだけだった。
この気持ちが何なのか知るのはもう少し後の話 ______ 。
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リヴァイside
部屋を後にした俺は会議に向かう為、通路を歩いていると背後から声を掛けられた。
「お!リヴァイ〜!」
「…あ?ハンジか。」
「あれからはどう?」
にこやかに聞いてくるハンジに俺は昨夜のの甘えてくる姿を思い出して口元が自然と緩む。
それを見たハンジは目を少し見開いて驚いたように俺の腕を掴んで振りながら聞いてくる。
「貴方のそんな顔…初めて見た。ねぇねぇ、何があったの!?」
「っ、別に何もねぇよ。振るな。」
「絶対何かあった顔じゃないかっ…!ねぇ!勿体ぶらないで教えてよっ」
ほぼ親近距離で大声を出され俺は額にピシリと怒りマークが浮かぶ。
「っ、うるせぇっ。耳元でデケェ声出すんじゃねぇっ。」
「だって〜〜っ!!気になるからさ〜!リーヴァーイっっ〜〜!」
「〜〜、わかったからとりあえず離せっ。クソメガネっ。」
無理矢理腕を振り解き、一発ハンジの頭に拳を振り上げた。