第10章 愛とこの熱さと温もりの意味【後編△】
「いったぁ…そんなに強く叩かなくても良いじゃないか…」
「自業自得だ。」
「もう…あ、ねぇ教えてくれるんだよね!?ね!?」
頭を手で抑えながら目をキラキラさせて言うハンジに深く溜息を吐き、言葉を繋いでいく。
「…わかった。のことだが少しずつ心を開き始めてる。感情はまだ教えてやらなきゃならねぇとこがあるが今のアイツなら分かるとこは分かってきてるから前よりは大丈夫だ。」
そう説明をするとハンジは真剣に頷きながらでも安心したのか口元を緩めて笑った。
「…そう。なら大分成長したってことかな。」
「そうなるな。」
「安心したよ。しかしそこまで行くのにどうやったのさ?」
ニコニコと上機嫌に何処か揶揄うような笑みを向けて聞いてくるハンジに軽く舌打ちをし返す。
「…秘密だ。」
「えー!勿体ぶらず教えてよ〜!」
「さっきので充分教えただろうが。これ以上は言わねぇ。」
そう言うとハンジはムスッと不機嫌な顔をして俺の隣でピーピー喚いているが、俺はそんな事よりも…
早く会議を終わらせての顔を見に行きたい…そればかり頭を巡らせながら通路を歩いた。
_____ まだ道のりは遠いが絶対分からせてやる。
強く思いながら扉のドアノブを引いた。
end