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ー 甘美な甘さと熱の疼き ー 《リヴァイ》

第8章 愛とこの熱さと温もりの意味【前編△】


「はい。」


返事を返して襟元のボタンを外して首元を晒す。
ハンジさんは隣に腰を掛けて首元のガーゼをゆっくり剥がしていく。


「…うん、出血は治まってるね。瘡蓋(カサブタ)も出来てるしこれなら大丈夫だ。」

「…そうですか。」


素っ気ない返答にハンジさんは困ったように微笑みながら素早く傷に薬を塗り込み新しいガーゼを貼った。


「…よし。終わったよ。傷口は塞がってきてるからなるべく安静にね。」

「ありがとうございました。」

「どういたしまして。それより…気になってた事があるんだけどいいかい?」


柔らかい口調の中に何処か真剣な声音をのせるハンジさんに視線を向ける。


「…何ですか?」

「胸元の痣が気になって酷い怪我じゃないか心配でさ。…見せて貰ってもいいかな?」

「あ、はい。」


戸惑いすらなくシャツのボタンを外し肩まで下げて見せると、ハンジさんは「ありがとう。」と言いながら指で胸元に残っている痣と噛み跡に触れてくる。


「…青黒くなってるね…。痛みはある?」

「痛みは…そんなに…」

「そっか…。痛みがないならいいけどこれ以上は噛まないようにって彼に言わなきゃね。」


そう言って肩まで下げていたシャツを戻して整えてくれる。

彼…。


「…あの、彼氏とかは居ないです。」
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