第79章 家族の形$ 其の二
「謝らないでください。私、後悔してませんから」
「……」
鋼鐵塚の腕の中でしのぶが身じろぐ。
「蛍さん。今回のことで、子供が出来たら……責任取ってくださいね?」
「おう!大丈夫だ。見捨てたりしねぇ!!」
力強く抱きすくめられて、嬉しいと思う反面、その言葉に救われた気がした。
「……ふふ。約束ですよ?」
それはしのぶが、ずっと待っていた言葉。
近くにいて、見捨てないで。
置いていかないで、一人にしないで。
心の奥で叫んでいた、しのぶの小さな心の一部が、鋼鐵塚に身を委ねて隙間を埋めるように、染み込んでいく。
この人の不器用な優しさが、私にとっては心地が良い。
しのぶは安心して瞼を閉じる。
今になって眠さが増してきた。
最終決戦以降でこんなにも穏やかに眠りにつけるのはいつぶりだろうか。
しのぶは沈みゆく意識の中で久方ぶりの安寧を手に入れた。
ー了ー