第79章 家族の形$ 其の二
鋼鐵塚が夜着を寛がせて、肌を露出するとしのぶが彼の身体を見てほんの少しだけ表情を曇らせた。
傷だらけの身体にガッカリしたのだと思った鋼鐵塚はしのぶが次にとった行動に驚かされた。
「こんなになってまで……私たちに刀を作って下さって……ありがとうございました」
鋼鐵塚の手を取り、しのぶはその手に頬を寄せる。
「しのぶは、平気なのか…?」
「鬼殺隊だって命がけです。私も……白藤さんに助けて頂いて……背中の傷跡は、残ったままです……」
傷が怖い訳ではない。
彼が傷つく役目を負わせていた事実から目を逸らそうとした自分がしのぶは許せないのである。
「じゃあ、俺たち二人とも同じ傷もんだな…」
ぶっきらぼうに思える言葉だが、その声音は穏やかで。
こちらを見つめる彼の目は、真っ直ぐにしのぶに注がれている。
真摯な眼差しに、しのぶの鼓動が再び跳ねた。