第79章 家族の形$ 其の二
思い出す。
最終選別の前までは、こうしてアオイがカナヲの手を引いて歩く事が多かった。
藤襲山から戻ってきたアオイはしばらく怯えていて、隊士としては送り出せない、と正式にカナエが蝶屋敷に招いたのが彼女の経緯である。
遊びに来ていた時の前向きな彼女とはかけ離れていてカナヲも戸惑った程である。
けれど、蝶屋敷で暮らすようになって、すみ、きよ、なほも加わって。
炭治郎に、出会ってからアオイは前の自分を取り戻したように見えた。
自分が炭治郎に惹かれていくように、アオイも彼に惹かれていた。
炭治郎に好意があると気付いていても、こちらからは言えなかった。
アオイに傷ついて欲しくなかったし、自分も彼女との関係を壊したくなかった。
結局、結論から逃げていたのは、カナヲ自身だった。