第79章 家族の形$ 其の二
襖を閉めて、お茶の乗ったお盆を置いて、アオイは静かにその場から立ち去った。
途中カナヲにすれ違い、用向きを聞くと今はダメだと問答無用で連行する。
とはいえ、アオイは内心で喜んだ。
ようやくしのぶも幸せになれる。
いつも何処か寂しそうだった彼女に寄り添ってくれる人が出来たのだと考えると、それがとても嬉しかった。
蝶屋敷に居る者達はしのぶとカナヲの幸せを望んでいる。
カナヲは炭治郎と、私も伊之助と。
そして、しのぶが鋼鐵塚と……
芽吹いて広がる、小さな輪を繋いで……
「アオイ、何だか嬉しそう」
「うん。後で話す」
紡ぎ合わせる糸が『絆』と言うのなら、きっと私たちはその中にいる。
アオイの横顔を見て、カナヲも安堵した。
最近のアオイはずっと何かに悩んでいたようだったから、カナヲは相談相手には向いていない事を自覚いている。
だから、心配でもずっと聞けずにいた。
アオイが話してくれるのを待っていた。