第77章 咲くは朱なれど散るは白
「炭治郎君、私は戦えない。でも、私にも出来ることがある。それはこの場にいる皆の治療。私も貴方達の役に立ちたい。それがここにいる理由」
誰かの役に立ちたい。
必要とされたい。
それはずっと昔からの私の願い。
「何故だ……お前の事など、知らない筈なのに……」
「無惨?」
「白藤。何故、私の朧気な記憶の中にお前が居るのだ……」
「それは……」
それは、白藤自身も思っていた。
遠い昔に何処かで私達は会っている。
でも、その記憶は頭の中で何か霧のようなもので遮られていて……
「鬼の始祖が何を躊躇う事がある……往け、鬼舞辻無惨!!目の前にいる脆弱な人間達を貪り喰って、お前こそが『最凶』であることを証明するのだ!!」