• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第76章 違えし縁


ーー陽光は私の元から全てを奪うーー



かつて人であった頃は、陽の下に出られる機会が極端に少なかった。

自身の体は病弱であるが故に虚弱。



長い時間、陽光の下にいると頭痛がした。

起き上がるのも、涼しくなってくる夕方から夜にかけて。

その内、自然と陽光が嫌いになっていた。




「お兄様。お加減は如何ですか?」




私の視界に入るものに色は無かった。

全てが灰色に見えていた。



色を認識出来ていたのは、彼女だけだ。

下働きの下男も、側仕えもいないこの屋敷で、女房の彼女だけが私の心の支えであり、生きる希望だった。

/ 1830ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp