第75章 折れない心
ズガンっ!!
気配を感じ、咄嗟に頭上に結界を張ったが、今までと比べ物にならない質量の攻撃が頭上から迫ってきたために、結界が軋み始める。
ミシミシ……
このままでは、不味い。
「このままたたみかけろ!!」
宇髄の言葉に従い、皆が技を出し、悲鳴嶼の鉄球を押し込んでいく。
「音の呼吸 壱ノ型 轟!!」
「風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風!!」
「蛇の呼吸 伍ノ型 蜿蜿長蛇!!」
グググ。
結界が撓(たわ)み、亀裂が走る。
このままでは、保たない。
私はあの狐が居なくても人に負けるのか?
有り得ない!
私は晴明よりも、優れた術師になったはずなのだ、それなのに……