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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第75章 折れない心


「戻ってきてください。皆貴方を待っています……ほら、聞こえますか?」


「炭治郎!!」


ああ、本当だ。

皆が何か叫んでいる。


「貴方の名は『竈門炭治郎』。鬼ではなく、人間です」


不思議と暖かい雫が頬を伝った。

額に二本の角を生やした炭治郎の頬を白藤の両手が包む。


そうして優しい声音で白藤が歌った。

初めて聞く、数え歌だ。


『一つお山のてっぺんに、二つの星が落ちてきて、
三匹の鬼がやってきた。

酒は四升、桃は五つ。

月が雲から顔出して、照らした泉に六匹蛙。

皆口々に歌い出す。

神楽舞う贄の娘の齢は七つ。

神に召します、八つの音色。

ことほぎ交わすは、帝の御前。

十の灯篭、火は断つな。

鬼は眠りて、丑寅の、戻橋にて今帰りこん』


「………白藤さん?」


「炭治郎君。おかえりなさい」


炭治郎の鬼化が解けると同時に、珠世の惑血の効果も切れた。

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