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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第75章 折れない心


こうして道満と無惨、白藤の歪な因縁が廻り始めた。

無惨は人の道を外れ、鬼の軍勢を増やして行く。

道満は晴明に負けぬようにと自らの修行に励んだ。

ただ一人、放り出された白藤を除いて……



彼女とて、全ての記憶が蘇った訳では無い。

半人半鬼と言えど、流れ着いた果てにやってきた鬼殺隊で藤の屋敷に留まり、幾代もの柱の傷を癒してきた。

人らしくなれたのは戦国時代の、あのひと時。

けれどもいくら待っても巌勝は帰らなかった。

それから時折柱の誰かに惹かれはするものの、彼女はそれを口にはしなかった。


ーー 人ではない自分が、恋をしていいわけが無い ーー


ずっとどこかでそう思っていて。

迷う時間が長くなるだけで結局は叶わぬ想いに打ちのめされて。

だから蓋をした。

自分の心に。

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