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【鬼滅の刃】まぐわい

第23章 【番外】錆兎×真菰


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任務帰りの真菰は、久しぶりに水柱邸に立ち寄った
縁側で酒を飲んでいるうちに、小腹が空いてきたので
真菰が何かつまみを作ろうと立ち上がった時によろけたのを
錆兎が支えた

いつもなら、「大丈夫か」と声をかけて
笑って終わるところが
今夜は違った
錆兎の手が真菰を離さなかった
体に触れるその手を意識してしまい、胸が高鳴る
こんなに近づくはのいつぶりだろうなどと考えていると
妙な空気が流れているような気がして
ふと顔を上げる
今まで見たことのない、男の顔をする錆兎に
真菰の心臓がどくりと跳ねた
腰に添えられた手に力が入るのを感じ、
体を引き寄せられ、空いた手が顔に添えられると
後の展開が頭をよぎり、同時に様々な疑問が浮かぶ
聞きたいことは色々とあるが、
ひとまずこの空気に身を任せてしまうことに腹を決めると
真菰は目を閉じた

酒のせいか、錆兎の唇は熱く、思った以上に柔らかかった
一度してしまえば、さらに欲しくなるのは人の性だろう
そのまま二度、三度と唇が触れ合えば
今度は触れるだけでは飽き足らず
縁側で月明かりの下、何度も舌を絡め合った
心臓がうるさく脈打ち、息苦しい
知らない内にどこで覚えてきたのか、
錆兎の舌が真菰の口内を弄り、歯列をなぞると
背筋がぞくぞくと甘く痺れ、
無意識に内腿を擦り合わせてしまう

『ああどうしよう』

沸騰しそうな脳で、必死に考えを巡らせる
見て見ぬふりをしようとした気持ちが、
どうしようもなく燃え盛っていた
錆兎に触れて改めてわかった
この男を誰にも渡したくないのだと

これ以上先の行為に及ぶには
気持ちを履き違えないよう、
自分の想いをを伝えておかねばならないと
口づけの合間に、やっとの思いで
真菰は声を発した

真菰「錆兎…」

錆兎「真菰、好きだ」

真菰の言葉は、錆兎の言葉に被せられた
それが自分の言おうとしていたことと同じだったために
真菰は目を見開いた

真菰「…え」

錆兎「お前が欲しい。どうしようもなく。」

真菰「…え…?あ…」

先越されたその言葉と熱っぽい眼差しに、
真菰は狼狽えながらも
錆兎の言葉を懸命に理解しようとした
思いがけない急展開に、脳がついてきていない
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