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【鬼滅の刃】まぐわい

第23章 【番外】錆兎×真菰


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月が高く上りきった夜更けに
水柱邸に静かに響く、衣擦れと吐息
いつもは男1人のその屋敷に
よく知る幼馴染の真菰が布団の上で横たえ
屋敷の主人で水柱の錆兎が覆い被さっていた
水音を立てて唇を貪りながら
互いのシャツのボタンを性急な手つきで外していく

『どうしてこうなってるんだっけ…』

同じ師のもとで修行した3人の子供は
厳しい選別を潜り抜け、鬼殺隊に入った
幼い頃から一緒に過ごしてきた3人は
入隊してからも共に鍛え、戦った
歳を重ねるにつれて
心身共に変化が訪れるのは当然のことで
家族のように過ごしてきたとはいえ
幼い頃のように長い時間共に過ごすことも無くなれば
1人の人間として自立したお互いを
意識せずにはいられないようになっていた

真菰にとって、幼馴染の彼に恋心を抱くのは
容易いことだった
誰よりも彼のことを知っている自負がある
その上で生まれたこの気持ちは本物で
おそらくこの後も変わらない
一生のものなのだろうと分かっていた

だからといって、それを伝えることは
容易ではなく
まず幼馴染という近すぎる関係性を
崩すことになるかもしれないという恐怖があり、
また錆兎は柱に就任してからというのもの
男女問わず慕われていることを知っていた
決して女らしくはない体つきと、
同年代に比べて幼く見える顔立ちに、
真菰は何度ため息をついたことか。
彼はきっと自分のことを
妹のようにしか見れないだろうと思っていた

真菰が17になった頃から3人で酒を呑むようになった
真菰が3人の中で一番酒に強く
錆兎は酔うと普段より笑うようになり
義勇が一番弱く、すぐに酔ってしまい
表情はさほど変わらないが少しお喋りになった
ある時から、酔うと頻繁に
胡蝶しのぶのことを話すようになったかと思えば
気づけば2人は恋仲になっていた
言葉も表情も乏しい彼に恋人ができたことに
真菰と錆兎は驚きと同時に安堵した

これまで3人揃って過ごすことが多かったのが
義勇に恋人ができたことにより
最近は錆兎と真菰の2人で過ごすことが増えた
今夜もそういった夜だった
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