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【鬼滅の刃】まぐわい

第12章 伊之助×仄華(創作キャラ)


2

ほのかが食事を持って伊之助の元に戻ると

伊之助「お前、1人か」

と突然聞いたのでほのかは驚いた

ほのか「あ…はい。両親は病気で亡くなり
兄がいましたが鬼に殺されてしまいました
もう数年前のことですが」

伊之助「そうか
俺は生まれた時から1人だった」

ほのか「そうですか…私よりお辛い方は沢山いらっしゃいます。
町医者をやっていると、自分に起きたことなど
よくあることだと感じます。」

話しながらほのかはお茶を差し出す

ほのか「お名前を伺っても?」
伊之助「嘴平伊之助だ」
ほのか「嘴平様、この様に部屋を持て余していますから、
ゆっくりなさっていってくださいね」

ほのかはまた微笑んだ
伊之助は不機嫌な顔になった

伊之助「笑うなよ」
ほのか「えっ?」
伊之助「お前は笑ってねぇ。
目を見りゃわかんだよ」

そんなことを言われたのは初めてだった
無意識のうちに
ほのかの目から涙がこぼれ落ちた

ほのか「あれ…?ごめんなさい…」

伊之助に謝ると部屋を出ようとするので

伊之助「おい!いいからここにいろ」

伊之助が引き止める
ほのかはその場にへたり込むと
伊之助が食べている前でひとしきり泣いた

鬼に襲われた恐怖
家族を亡くした悲しみ
それでも生きていかねばならない辛さ
色々なものが込み上げてきて
涙が止まらなかった

伊之助は何も言わずに、ただ食べている
あまりに汚く、勢いのある食べっぷりに
ほのかは笑いが込み上げてきた

ほのか「ふふっ…」
伊之助「なんだよ」
ほのか「だって…すごい食べ方…ふふふっ」
伊之助「うるせぇ」

ほのかは心がほぐれていくようだった
思えば両親を亡くしてからずっと、気を張り続けていたような気がする

それから色々な話をしたがほのかが一番驚いたのは

ほのか「伊之助さん、15歳なんですか⁉︎」

あまりに鍛え上げられた肉体と肝の座った様子に
そんなに若いとは思っていなかったのだ

伊之助「なんだ、何か文句あんのか
お前何歳なんだよ」

ほのか「私、もう21です」

伊之助「…見えねぇな!」

伊之助がガハハと笑う
ほのかは10代半ばに見えるほど童顔だった
赤みがかった深い茶色の髪にくりっとした橙色の瞳
背はカナヲと同じくらいで、伊之助よりも3寸ほど低い
若く可愛らしいが、非常に聡明で、
両親の家業を継いで町医者をしていた
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