第84章 新たな拠点、新撰組
時は少し遡り…―
「レンはどうだ?」
探索を終えた山崎の報告を一通り聞いた土方は問いかけてみる。
「そう、ですね。これといって特にはなく…。」
「上手くやっていけそうか?」
「…仕事に支障は出ないとは…思います。」
土方の問いに、山崎は少し戸惑いながらも答える。
レンは常に淡々としていて、ともすればとっつきにくい印象があった。
初めての出会いも出会いだった為、どうしても彼の中で苦手意識があった。
土方は山崎の様子を見て苦笑する。
「そうか。ま、気負わずに付き合ってみてくれ。手に負えない様だったら俺に言ってくれりゃあいい。」
山崎はそれを聞いて、少しだけ肩の力が抜けた様だった。
「はい、ありがとうございます。」
彼はそう答えて少し頭を下げると土方の部屋を後にする。
それを見送ってから、土方はまた机に向き合った。