第84章 新たな拠点、新撰組
「おはようございます。」
「「「おはようございまーす。」」」
レン達が本丸で言う所の、広間の様な所に朝食を摂りに来ると、既に原田、永倉、藤堂が揃っていて雑談をしていた。
「おう、おはようさん。」
原田が答えると同時に、永倉と藤堂もこちらを向く。
「おまえんとこのデカいの、すげぇな。男で台所に立てるなんて珍しいぜ。」
「料理が好きなんだってな。」
そう言って二人は笑う。
「いや〜、お陰で助かったよ。俺達、本当は今日朝食当番だったからよ。」
「だな。斎藤も触発されて興味津々で一緒に入ったからな。」
永倉と原田は笑い合う。
それを聞いて、レンは加州達を振り返る。
「ちょっと厨を見てきます。まだやってるかもしれないので。」
レンは、本丸でも手が空くと大概厨へと赴く。
自分のご飯を作ってくれるのだからと燭台切の手伝いをすることがままあるのだ。
「じゃ、ボクも行くよ。」
「なら、みんなで行く?」
「いいね、そうしよう。やる事もないしね。」
乱、加州、大和守は、レンに倣う。
それを見た三人は、一度顔を見合わせてから再び彼らを見上げる。
「お前ら、真面目だねぇ。」
「そうだよ、休んでりゃいいじゃねえか。」
永倉と藤堂は口々に言うも、レンは首を振る。
「じっとして待つより、行った方が早いので。」
そう言ってからすたすたと戸口へと向かい始める。
「じゃあ、僕たちも行ってきます。」
加州の言葉に、大和守、乱も同意する様に会釈すると、レンを追うように歩き出す。
「物好きだねえ。」
原田は少し呆れた様に、だが楽しそうに笑った。