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君に届くまで

第84章 新たな拠点、新撰組



「とりあえず。あと二人、沖田さんの班に配属を希望しているので、そちらも是非考慮してください。」

それを聞いた土方は顔を引き攣らせた。
沖田を知っている様子も気にかかるが、それでも尚、彼を希望するその心理が理解出来なかった。

「…何でよりによってあいつなんだ。」

土方の問いに、さあ…、とのらりくらりと首を傾げるレン。

「気に入ったから、じゃないですか?」

土方はそれを見て、これみよがしに長く息を吐いた。

「…わ〜ったよ。総司には伝えとく。一番隊は丁度欠員が出てるんだ。願ったりだろう。」

「レンは、やっぱり山崎か?」

永倉は土方に問う。

「そうだ。あいつの元が一番適任だろう。」

「あとの二人はどうするんだ?」

原田が言うと、土方はうーん、と考える。

「そうだな…。お前たちに振り分けるか。」

「ちびっ子は刀が苦手だって言ってたぞ。」

「普段は、短刀を好んで使ってますから。」

レンが言うと、土方達は、あぁ、と納得する。

「ま、弱くはねえからな。俺んとこでもいいぜ。」

永倉が名乗り出た。

「んじゃ、俺はあの兄ちゃんを取るか。」

燭台切は原田に決まった様だ。
それを聞いて、土方は人相を整理していく。

「あの二人がそうか。確か…、清光と安定、とかいったか?」

「はい。その二人は沖田さんの班で。」

「根を上げても知らねえぞ。」

「おそらくは大丈夫だと思います。」

寧ろ、嬉々として臨むだろう事がレンには容易に想像できる。
自信過剰に言うでもなく、あくまで事実の様に語る様を見て、土方は少し顔を引き攣らせた。

「…分かった。なら、その様に手配しておく。」

「「よろしくお願いします。」」

レンと嬉しそうな堀川の声が重なった。

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