第25章 うつろう絶望へ
平子サンがこの子に肩入れする気持ちが良く分かる。平然と自分を蔑ろにし、一人で抱え込むこの子を放っておけないのだろう。この子の肩に、いろんなものが掛かっている。いつか、その全てに押し潰れて消えてしまいそうで。それでも笑おうとするこの子を、見て見ぬ振りはできそうも無い。感情なぞ切って捨てる合理主義な僕が、たった一人の女の子を、護らねばならない、と。救ってあげなければと、思ってしまった。
うつろう絶望へ
(この子の裏切りの真実を、アナタに教えることは出来ないけれど。アナタの代わりにこの子を見守るので、どうか許してくださいね---平子サン)