• テキストサイズ

徒花まみれの心臓【BLEACH】

第3章 穹を蒼とするならば




「雛森チャン?」


「っ、市丸隊長!」


「ん? なんですの ?」


「あ、あの「こんな所に居やがったのか」…っ! 日番谷君!」


愛美隊長って呼んでもいいですか?……思い切ってそう尋ねようとした言葉は、突如現れた幼馴染みに遮られてしまった。


「お、日番谷クンやん」


「テメェ市丸……、まさかとは思うが俺との約束を忘れてんじゃねえだろーな」


「…………………………あっは、」


「やっぱりな…」


二人の間で交わされる会話についていけない。


「あの、約束って…」


「日番谷クンとね、十番隊舎で一緒にお茶する約束してはったんよ。朝まではちゃんと覚えてたんやけどねぇ…かんにん、怒ってはる?」


「…いや、別に」


「「(完全に拗ねてるよ…)」」


長い付き合いだからわかる。こうなったシロちゃ……日番谷君は、中々に厄介だ。今日は一日中不機嫌のままだろう。…でも、日番谷君も何だかんだ言って市丸隊長のことが好きだし、案外市丸隊長相手なら機嫌もすぐに良くなるかもね、なんて自分で思ってみたら……ああ、十分有り得ることだった。


「日番谷クン、ほんますんません。もし君がええなら、今からでも一緒にお茶しまへん?」


「…仕方ねえな、付き合ってやるよ。でもお前が煎れろよ。行くぞ」


「ふふ、わかったて」


何よシロちゃんってば。仕方ないとか言いながら、本当は嬉しいくせに。―――っああもうずるいずるい! 市丸隊長を独占するつもりなんだね、シロちゃん。良いなあ、隊長同士って。


「雛森チャン、最後まで特訓付き合えんなって堪忍な、」


「! …あ、いえ、気にしないで下さい!」


本当はもっと一緒に特訓してほしかったけど、そんな我儘は言えない。相手は隊長格だし、お忙しい方だ。何より市丸隊長が困ってしまうから。この人と藍染隊長、シロちゃんにだけは迷惑をかけたくないんだ。



「あ―――あの! 市丸隊長!」


仕事に支障を齎すような迷惑には多分ならないと思う。だから、さっき言いかけたこと……言ってもいいかな?


/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp