第6章 この世界は誰にも優しくない
「…藍染隊長……私は平子隊長が好きで、白哉クンも好き、浮竹隊長も更木クンも、勿論貴方も、みんな好きですの」
「私はそんなことを言ってるんじゃない、私は―――「せやけどね、藍染隊長」………?」
背中に回していた腕を解き預けていた身体を起こして藍染隊長と向き合った。彼の無表情の中には少しだけ不安が見え隠れしていて、自然と微笑みが浮かぶ。(いつの間にやら、彼の機敏までなんとなしにわかる様になってしもたんやね、)
「……っ、!」
藍染隊長の頬に手を添えて、そっと唇を重ね合わせた。
「こんなこと、貴方以外には誰にもしとりまへん」
「………愛美…」
「……、ん……」
激しいキスの雨が降る。私はそれを拒むことなく受け入れた。絡め合っていた舌を離し、彼の唇が首筋を伝い、帯をしゅるりと外した時も、私は一切拒まなかった。
目を瞑ると脳裏に浮かんでくる平子隊長の顔と白哉クンの顔に、何故かは分からないけど涙が止まらない。それを余すところ無く掬いとり私を力強く抱きしめる藍染隊長の体温に、更に涙は流れて。彼の指先から伝わる愛情と執着に、むず痒い気持ちになって、でも拒みたくて。
身動きが、取れない。
この世界は誰にも優しくない
(貴方も、誰も、悪くないんだよ)
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藍染さんには愛憎が混じり合っているという複雑な心境。対する藍染さんは成代主のこと大好きなんやで。