第9章 西国見聞録
「光秀様〜骨董品もありますよ。
あっ、指輪もある!なんの宝石だろう」
半透明に青く波のような宝石。
「青縞瑪瑙だな。明からきたのだろう」
「そうやで、青縞瑪瑙の輪っかに鳳凰が彫られてまんねん。
で、そっちのが、銀台の輪っかに蛍石が埋め込まれてるんや。綺麗やろ〜」
店の男が威勢のいい声で説明をする。
「帯飾りはどうだ?」
光秀が瑠璃の目の前に銀と蛍石が連なった帯飾りを掲げる。
「うーん…」
「なら、コレはどうだ?彫られているのは龍と鳳凰だ」
光秀が瑠璃の掌に瑪瑙の指輪を2つ置いた。
「政宗に土産だと、渡してやればいい」
(指輪……)
*蛍石…フロライト。