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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第18章 ディスクアイエット



そう問われれば必死に頭を回すも、いったいどの発言の事をさしていたのか私にはわからない。今まで失礼な事ばかり言ってしまっていたと思っていた私は、首をかしげる。

「…お前が俺に言った事、すべて正しかったんだ。だがその時の俺にはそれを飲み込む余裕も、受け入れる覚悟もなかった。だけど体育祭で緑谷がその機会を与えてくれ、お前にまた再確認させられた。俺が俺らしくまたヒーローを目指せるのは、お前らのおかげだ。ありがとうな」

『…』

「そして今まで突き放すような態度で悪かった。何でもかんでも図星を付いてくるお前に、俺はどうしようもなく苛立ったんだ…ガキみてえに」

『そ、その節はごめんなさい』

「お前が謝る事じゃない、だからもう謝るな…ありがとうな希里」

『えっと、その…こちらこそ』

今までこんなにもはっきりと感謝を伝えられたのは初めてで、どう返事をしていいのか言葉に詰まる。

照れなのか罪悪感からなのかよくわからない感情で思わず俯いてしまえば、轟が心配した様子で声をかけてくる。

「どうした…具合でも悪いのか」

『違うよ…ちょっとどう反応していいかわからなくて』

「そうか…悪かった。困らせるつもりじゃなかったんだが」

『わかってる、私がこういうの慣れてなくて。ただそれだけのこと』

「そうか…」

『うん』

そのまま少し沈黙のあと、そのまま轟が何気ない世間話をし始めた。

まるで脈絡のない話題転換についびっくりするも、それが彼なりの気の使い方だろうと気づけば思わず緊張が少し緩む。そのまましばらく彼と何気ない話をしていれば、なんだかやっと自分もリラックスできたように思う。

それから学校のことや、体育祭のことなどを話しながら彼を見ていればつい笑みが溢れる。

「?なんか俺おかしいこといったか」

『違う違う、轟くんなんだが唐突に丸くなったなって思って』

「…?そんなに太ったか俺」

『わあ、轟くんって意外と天然だね。お母さんもそんな感じなの?』

「お母さんが…天然?生まれは普通の家だと思うが」

続く妙な会話に思わず吹き出してしまえば、久しぶりに素で笑えた気がした。

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