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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第18章 ディスクアイエット



適当にチャンネルを回していれば、ニュース番組の中で流れた名前に指を止める。昨日緑谷たちから聞いた飯田くんのお兄さん、インゲニウムが東京保須市で襲われた事件のニュースが流れていて。

逃走中の犯人は神出鬼没のヒーロー殺し、ヴィラン名ステイン。

何人もの犠牲が出てる中未だに捕まっていない犯人に、ぞっと背筋が凍る。

(飯田くん…大丈夫なのかな)

兄弟想いの彼の事を心配すれば、またゾワゾワと嫌な感覚に襲われる。これ以上このニュースを見ていても自分のためにはならないと判断し、チャンネルを変えれば適当に見つけたワイドショーで止める。

平和ボケした賑やかな番組を眺めながら、リラックスしていれば次第と重たくなっていくまぶた。

確かに自分はよく寝る方だが、ここ最近の眠気は異常だ。それほど日々の学校生活で疲れているのだろうと考えていれば、自然と意識を失った。






ハッと意識を取り戻し急いで時計をみれば、時刻はもうすでに3時半。割とのんびりしてしまった事に気づき、轟がいつ家に来てもおかしくはない時間に飛び上がる。

『やばっ着替えないと』

急いでタンスに向かい引き出しを開ければ適当に外行きの服を探し始める。そもそもそこまで服にこだわりはないが、休日にクラスメイトと会うというのにだる着のままはさすがに気がひける。

しばらくタンスの奥で眠っていた小さなロゴが刺繍された淡いグレーのパーカーを着て、適当なスキニージーンズを一緒に履く。そして昔母からもらったゴールドの小さなピアスをつければ、なんとか人前に出していい身なりになる。

鏡で自身を確認していれば、タイミングを見計らったかのように家のチャイムがなる。急展開に少々慌てたが轟を待たせるわけにも行かず、落ち着かない気持ちのまますぐにドアに向かった。

『は、早いね』

「ん、そうか?時間通りだろ」

『あはは、そうだね』

「?もう出かけられるか?」

『あ、うんちょっと待ってて』

小さめのカバンに携帯とお財布を詰めれば、玄関先で待っていた轟に用意ができた事をいう。そのまま二人で外へと出れば、目的もなくしばらく一緒に並び歩いた。

「…お前一人暮らしなんだっけか」

『あ、うん。雄英受かったと同時に実家をでたんだ』

「そうか…お前親とは仲いいのか」
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