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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第18章 ディスクアイエット





プルルルルル…

プルルルルル…

『んん…』

床に転がっていた携帯の着信で目を覚ませば、重い体を起こす。

床から携帯を拾い上げれば、登録されていない番号からの着信に目をこすった。誰だろう、と寝ぼけたまま電話に出てみれば、向こうから聞き覚えのある声が聞こえてくる。

『もしもし…』

「希里か?」

『ん…?あれ…』

「寝てたのか」

『もしかして、轟くん?』

「ああ」

徐々に意識がはっきりしていけば、思いも寄らない電話の相手に今更緊張し始める。確かに昨日電話番号を渡したのは覚えているが、翌日にすぐかけてくるなんて思ってもみなかった。

『えっとーどのようなご用件で…』

「いっただろう、話したいって」

『あ、そういえば…えっと、今話す?』

「できれば会って話したい。今日の昼、出てこれるか」

『え、今日?昼?あれ今は何時だ…??』

「今は10時だ…これから少し出かけるんだがその後、そうだな…だいたい3、4時ぐらいに会えるか?」

『えっと。わ、わかった』

断る理由もパッとは思いつかず、つい承諾してしまう。

ついでに住所を聞かれれば、後で向かえにいく、という言葉と共に電話は切れてしまい思わぬ出来事にしばらく呆然とする。

(ええ…どうしよう。轟くんがくるまで何時間あるんだ!?)

昨日は帰って速攻泥のように眠っていたため、未だにシワだらけの制服のままで当然風呂にも入っていない。なんとか状況を整理しながら制服を脱げば、とりあえず風呂へと入る。

体育祭が終わってまもないため、まだ体のあちこちが痛み、何箇所か痣ができていることに気づく。また轟くんとの試合を思い出していれば、自分があの時どれだけいっぱいいっぱいだったかを痛感した。

(ホントに余裕なかったな…まともに会話もできてなかったし変なやつだと思われただろうな)

軽くシャワーを浴びれば、即席の朝ごはんをつくる。適当に目玉焼きを焼いてトーストを用意し、インスタントの味噌汁を体に流し込む。

なんとも微妙なラインナップだが正直一人暮らしなんてこんなもんだろう。

そうこうしているうちに時刻はすでに12時。轟くんがくるまでまだ少し時間があることにホッとすれば、少し落ち着くためにテレビをつけた。

「あ…インゲニウムって…」


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