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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第18章 ディスクアイエット



しばらくしてリカバリーガールに叩き起こされれば、すでに夕映えの空が広がる時刻。いつもの制服へと着替えれば、リカバリーガールにお礼をし、そのまま教室へと向かった。

いつもの背の高い扉をゆっくりと開けば、ちょうど集まっていたクラスのみんながわいわいと集まってきて。

「ケロ! トバリちゃん、具合はもうよくなったのかしら?」

『この通りもう大丈夫だよ』

「希里ー!ベスト4とかすげえんじゃんかあ!」

「おう!お前と轟の試合熱かったぜ、ホント!」

『上鳴くん、切島くん。ありがとう、結局負けちゃったけどね…』

徐々に集まる視線に恥ずかしさから誤魔化すように笑えば、人混みからひょっこりとでてきた麗日に思い切り抱きつかれる。彼女の予想外の行動に私は驚き思わず声をあげてしまう。

『わあ!?お茶子…?』

「トバリちゃん!心配したんだよう〜無事でよかったああ」

『大げさだな…でも心配かけてごめんね、ありがとう』

「うん…!」

「希里さん!4位おめでとう!」

『緑谷、くん。ありがと』

続いて現れた緑谷と、その包帯だらけの痛々しい姿に思わず心臓が揺れる。

緑谷を見るなり彼と轟の試合蘇り、思うように言葉がでない。

彼が怖い訳ではないけれど、なんだかあの気持ちを思い出してしまいそうで、私は思わず視線をそらした。

「…?」

それに気づいた様子の緑谷が私に何かを言おうとした途端、後ろから現れた相澤先生に遮られてしまう。

「おいお前ら、席につけー」

彼の言葉は届かぬまま、私たちは各々席へとついた。

それから相澤先生がホームルームを軽く終えれば、そのまま今日は解散となる。明日明後日と休校になるという事もあり、クラスの何人かが今日の打ち上げにいくと騒ぎ始めていて。

しかし私は疲労もそうだが、正直今はわいわいと騒ぎたい気分でもない。

ブーブーと文句をいう上鳴と峰田に丁重に断りを入れれば、同じく家へと帰る様子の麗日、そして緑谷と共に教室を後にしようとした。

「希里、少しいいか」

『え、ああ轟くん…』
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