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あまりに脆い今日を 抱き締めて手放す

第1章  夜 道















「入って」

「あ、…うん、」


時間は既に深夜4時をまわっていた。

普通知らない男に家来るか誘われて行く女なんていないと思っていたが、警戒しながらも付いてきた彼女を見て、本当に行く宛がないんだと知る。



「…おじゃま、します……」


へぇ、一応そういうこと言うんだ。

なんて思いながら彼女を部屋の中へ招き入れた。











「…で、あんた名前なんて言うの?」

「……美和(みわ)。佐伯美和、」

「美和ね。美和は、いくつ?」

「…21、」

「…は、(笑) 良かった、未成年じゃなくて」


とは言ったもののはっきり言って21歳には見えない。

もっと幼いというか、教養が足りてないというか… なんだ、この違和感。


「…あなたは?」

「え、俺?」

「うん…」


さすがに誤魔化せないよね、もう。

家まで上げちゃったし…



「京本大我」


意を決して名前を伝えた。



けど、


美「きょうもと、たいが…」


子供みたいに名前を一字ずつ繰り返すだけで、反応がない。



大「え、俺のこと、知らない? SixTONESってジャニーズグループの…」


そんな訳ないと、少し意地になってみたけど反応は変わらず、頭に?マークを沢山浮かべた彼女が俺を見返してくるだけ。



…まじか、俺達デビューしてもそんなもんなのか。

ガクッと肩を落とした。



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