第23章 ➖染まってく…➖
いつの間にか意識を失っていた…
見知らぬ天井と薬品の匂い
寝起きだからか…
モヤっとして頭が働かない
倦怠感もあり
ボーッと天井を眺めながら深呼吸をしていた
すると…
徐々にクリアになる頭
首だけを動かし辺りを見渡す…
(白いパーテーション、薬品棚…保健室か)
自分の今の居場所を確認し
更に周囲を見渡すと自分の眼鏡を見つけ
いつも持ち歩いていた巾着へと仕舞い込む…
と、同時に扉が開き
明るい声が室内に響く…
-ガラッ -
「お!目が覚めてるんだゾ!」
グリムとユウがコチラへと近付いてくる…
「お前どうしたんだゾ?オレ様達の寮の前で
意識を失って倒れてたんだゾ?」
「そうだよ。どうしたの?大丈夫?」
と、ユウも問いかけてきた…
彼等に心配を掛けたくなかったので
無理矢理身体を起こし
いつもと変わらない様に努める…
『そうねぇ…散歩をしてたハズなのよね…
…貧血かしらね?』
「ふなっ!もう!人騒がせなんだゾ!
すげぇービックリしたんだゾ!」
『ごめんね?今度なんか奢ってあげるからさ』
「絶対だゾ!まぁ、元気そうだし…
今からでも一緒に昼食に…」
『ごめんね。まだ少しだけ休みたいから…
2人でいってらっしゃいな?』
「わかった。お大事にね?グリム行くよ?」
微笑みながら手を振り彼等を見送る…
彼等が去った事により気が抜けて
またベットへと沈み込む…
(あぁ…何も考えたくない…心が痛いよ……)
彼の言葉を思い出し涙が滲む…
そのまままギュッと目を閉じ
独り耐えていた……
いつの間にかまた眠ってしまっていた様で
違和感を感じ目が覚める…
(……ん?なんだろう…温かい…)
目を開くと彼と目が合った…