第22章 ➖対立➖
=オクタヴィネル寮・アズールの部屋=
「ここならゆっくりとお話しできますね…
あなた…私の邪魔をしないで頂けますか?
昨日の騒ぎ…レオナさんから苦情が入って
います。寮長として申し上げますが…
今後一切あの様な事は……」
『寮長…お言葉ですが…
私は…その言葉には従えません。』
「はぁ…あなたの意見など聞いていません。
私はお願いしているんですよ…あなたに」
有無は言わせない。
はい。と頷き、従え…
そういった強い圧を感じる
『必死なんですね。あぁ〜…もしかして…
あなたあの人と契約したんですね?
だから…朝から私を捕まえて
“お話し“して下さっているのですね?』
そう言うと彼がビクッと反応し
動揺したのが分かった…
「あ、あなたには関係の無い事です…」
『いえ、関係はありますよ?
私は仲間が傷付けられるのは嫌いなんです。
まぁ、昔のあなたなら私にこんな事を
言わなかったかもしれませんがね…』
昨日の出来事を思い出し
彼に対して冷たくなるのを自分でも感じたが
抑える事は出来なかった…
「あぁー…うるさい!!
大人しく出てれば調子に乗りやがって…
こっちだってねぇ…契約は事前事業で
やってるワケじゃないんですよ。
君…邪魔をしないで頂けます?」
『何度も申しますが…
今のあなたの言葉には頷けません。
昔のあなたでしたら……』
「あぁぁー…もう!うるさい…うるさい!
昔、昔ってあなたは言いますが…僕は…
僕は昔の僕なんて大っ嫌いなんですよ!!
昔の事なんて思い出したくも無い!
あなたの事だって…そうですよ!
僕はあなたを思い出したくないんですよ!」
アズールの言葉に
酷く胸が痛んだ……
“あなたの事を思い出したくない“
この言葉が、頭の中で何度も響く……
大きく鋭く尖ったガラス片の様なもので
胸を突き刺され、それでは足りないと
締め付けられ…捥がれる様な痛み
『…っ……はっ……くっ……』
息が出来ない…視界が霞む…胸が痛い……
辛うじて動く指を鳴らし
場所も決めず…
彼の元から逃げ出した…
一瞬見覚えのある場所が
目に入った様な気がしたが
それと同時に視界は狭まり
暗くなっていくのを感じていた…