第13章 ∇乱される…∇ アズール視点です。
モヤモヤとした気持ちを晴らす為
音楽室へと足を延ばす…
=音楽室=
青白い顔色の彼女がもたれかかる姿があった…
軽く悪態を吐いてみせるも
本当に辛いのだろう…
普段の強気で余裕ある姿など
微塵も感じさせない
弱々しい彼女の姿…
僕の質問にも素直に答える君
弱った君をみたかったハズなのに
何故か心が酷く痛むんだ…
『……弟みたいに君を思っていたよ…』
そう告げ…見つめてくる君の瞳が…
とても優しく…でも、どこか寂しげで
先程とは比べ物にならないくらいの
強い痛みが胸を走り
思わず表情に出してしまった…
そんな僕の表情を見た彼女が
酷く動揺していた…
『…ごめん…アズール…あなたにそんな表情…
させたくなかった……ごめんね…
わかってる…ちゃんと君から離れるから…』
抱き締めながら時折嗚咽を漏らす彼女…
僕の表情1つでここまで取り乱すあなた
(”あなた”にとって僕は…それ程にも
大切だったのでしょうか?
あなたを忘れた僕を…今もあなたは…)
今までの物を吐き出すかの様に…
僕を抱き締めながら…泣き続ける君
時折僕への謝罪を口にして
僕も抱き締め返したかった…
でも…今の僕にその資格はない。
君を忘れた僕には…
『ごめん…取り乱し…た…忘れて…ごめん…』
虚な目をしフラフラと出て行く君……
僕は引き止める事が出来なかった…
引き止めてしまったら何かが崩れる
そう感じていたから…
僕は黙って彼女を見送った。