第13章 ∇乱される…∇ アズール視点です。
(“僕を知る“僕の知らない誰か…
そんな”あなた”に恐怖すら覚えていた。
それなのにどうしてだろう…
あの日からずっと彼女を考えてしまうのは)
入学式の予行演習後…
ヴィルさんに例の物を手渡し会話をしていると
ジェイドからの呼び出しで
鏡の間へと着いた。
そして…彼女と出会ったあの時の事
僕の知らない。僕を知る彼女…
=鏡の間=
到着すると、今回の取引に一役買った…
フロイドが歩ける様になり
今回の件について、3人で話し込んでいた。
『はいはい。次があればコイントスでも……』
-キラッ -
眩い強烈な光に思わず目を瞑る
すると、次に何が覆い被さる様な感覚と同時に
自分の後頭部に衝撃を受け意識を手放した…
どれくらいの時間気を失っていたかは
わからないが、意識を取り戻すと
後頭部や身体に鈍痛が走り
女性の声がした…
「アズール…よね?」
僕の名を呼ぶ見知らぬ人物
目を開け漸く定まった焦点…
彼女の顔をまじまじと見つめるが
『そうですが……あなたは誰ですか?』
僕は覚えがない人物へと
冷ややかな目を向ける…
記憶力には自信があるのだから
間違いなんてある訳がない…
「…え?」
あの時の彼女の表情を今でも覚えている
驚き、戸惑ったかと思えば
憂いを帯びたあなたの顔を…
その顔を見てなぜか心が痛んだ
(何故だ…なんで心が痛む?
僕と彼女は初対面…
彼女なんて知らないのに…)