第11章 ➖察しのいい子➖
「あぁもう…ウルサイ!頭固い!!
オレがいいんだからさぁ…それでいいーの!
……ねぇ、また口塞いじゃうよ?サラ」
真剣な表情で手首を掴まれ
また触れるだけの口付けを交わす
唇から彼の気持ちが流れてくる…
(あぁ…本気で言ってるのか…この子…
ヘラヘラして見えて真っ直ぐなんだね…)
そんな彼に
とあるゲームを提案する事にした
『じゃぁ…フロイドが授業、仕事以外の時間で
私を捕まえられたら自由にしていいよ?』
「マジ?追いかけっこ?やるやる!
本気になっちゃうよ?」
舌舐めずりし、楽し気な声で話すフロイド
『じゃ…スタート』
-パチン -
指を鳴らし瞬時に自室へと戻る私
『はぁ……暫く逃げなきゃか…
それに…フロイド…君の気持ちに応えたら
…私…あの子の事を……』
盛大にため息を付き…
これからの事を考えて
少し憂鬱になる気持ち
その後は
見つかっては逃げるを繰り返し
放課後になりラウンジでの仕事を終え
1日を終えたが…
彼との追いかけっこの日々が幕を開けた