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あなただけを…

第11章 ➖察しのいい子➖


『あっ…つい…』

「ん?オレが怒ると思った?
 サラならいいよ♡今気分も超いいし♪
 そーいえばさぁ…オレに用があったの?」

『特には無いけど…あぁ…アズール元気…?』

「アズール?…んー…
 サラに会ったばっかの時は
 なんかすげぇイライラしてたけど
 最近はそんなにかな?
 まぁ、正直わっかんねぇや…
 オレ…アズールじゃねぇーし」

『だよね…私じゃ近付けないからさ…
 気になっただけ…聞いたこと秘密ね?』

「えー…オレちょー親切に教えたじゃん?
 なんかちょーだいよ」

「なんかって…なによ?物?情報?
 …何が欲し……」

-チュッ -

頭を左手で掴まれ
そのまま引き寄せられ
目の前がフロイドで一杯になる
リップ音が響き、目を丸くしたまま固まる

「ポカンとしちゃってさぁ…隙ありすぎ♪
 良い表情してんじゃん… サラ〜
 オレ〜…本気になっちゃった♡」

ねっとりとした彼特有の口調と
不敵な笑みを浮かべるフロイドが
今度はゆっくりと顔を近づけてくる…

『…フロイド、大人を揶揄わないでくれる?』

それを拒み
冷めた表情と声で彼を睨みつける

「は?歳変わんな……あぁ…鏡の間のか…
 アズールとの契約かなんかなんでしょう?」

『そうね…まぁ、詳しい契約内容は
 話せないけど…君らより13年上だね…』

「んーと…30か…それで?」

気にも留めてないけど?
と、表情で訴えてくるので
思わずポカンとなってしまったが
冷静さを取り戻し会話を続ける

『で…って、普通に考えて離れすぎでしょう
 そんな人としないでしょ?』

「は?んなの関係ねぇーじゃんか
 サラはサラじゃん?
 ソレ気にすんなら聞くけどさ…
 靴買うのに年齢とか関係ある?
 良いと思ったもん買う…高価だろうがさ
 欲しいと思ったから…手に入れんでしょ?
 許可なんていらねーし。それにさぁ…
 他人がガタガタ言ったってなーんも
 関係ねぇーじゃん?他人なんてさぁ…
 勝手に言わせておけばいーじゃん」

『いや…でも…それを認めたら……』
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