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あなただけを…

第11章 ➖察しのいい子➖



『あれ?フロイド…キミもサボりな訳?』

昼寝する君を覗き込む様にして問いかける…

「ふぁ〜っ……ん?… サラ?…っー…
 そうだよー…だってぇー…だるいじゃん?」

欠伸をした後にひと伸びし
涙を目に浮かべ、眠そうなフロイド

(自由な人っぽいけど…有能な子よね…
 彼等を側に置く気持ちが分かる。
 頭もキレるし…何より身体能力の高さね…)

アズールの指示で私を探っていたのだろう
ラウンジや選択授業等様々な場所で
彼等と過ごすうちに彼等を理解してきた

彼の側にすら近寄れない私は
彼等を少し羨ましく思っていた…

そう考えていたら急に視界が暗くなる…
覗き込んでいた筈が…
手を引き寄せられ彼の胸の中にいた事により
視界を塞がれていたから…

「アハっ…想った通りだ♪
 やっぱ抱き心地いい…ねぇ〜サラ
 オレに飼われない?…大事にするよ?
 …飽きるまで…ね?」

耳元で甘ったるい声で囁かれ
目をギラつかせるフロイド

なんとも挑発的なその行為に
少しだけ乗ることにした…

『飼うってね…フロイド…私さ飼われるより…
 飼いたい側なのよ…ね…意味わかるよね?
 フロイド〜……フフッ。舐めんなよ?』

彼に馬乗りになり
挑発的笑みを浮かべ返答する
思わぬ反撃に目を見開くフロイド
直ぐに不敵な笑みを浮かべ口を開く…

「アハっ…いいね〜♡なんかゾクゾクする。
 ねぇサラ〜。こんなことして
 …オレに仕返しされんの怖くねぇーの?」

そう言って目をギラつかせながらも
真顔で問い詰めるフロイド…

(一丁前に良い顔するねぇ…少しゾクっとする
 …でも、まだまだ私の父親程ではないね)

『ハハッ…面白いね?怖かったらさぁ…
 こんな事するワケないよね?ん?』

嘲笑い、一切臆する事なくそう言い切る
するとフロイドがいきなり笑い始めた…

「プハッ…ハハッ♪ちょ〜いい!
 なにそれ!?マジ飽きないんだけど
 ハハッ…はぁ…テンション上がる〜♪
 オレにそんな事言えた奴いないもん。
 サラ…やっぱいいね〜♡
 オレ気に入っちゃった…」

険しかった表情は解け…
彼の中で何かを得たのか
満足気に笑みを浮かべていた

そんな彼を見て
自然と手が彼の頭に向かい宥める様に
ポンポンと、撫でてしまっていた…
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