第9章 ➖ミノカサゴ卒業➖
-パタパタ -
(この足音……もしかして…?)
振り返ると
走り込んでくる垂れ目の片割れの姿が見えた
「あ〜〜〜……いたぁ♡ サラ ♡」
上機嫌(?)な彼がそのままの勢いで
私に飛び込んでくる…
「え?…は?…ぐへっ…ちょ…なんなのよ…
…はぁ…もうちょっと勢いを抑えて!」
咽せた事により少し涙目になり
垂れ目の片割れに睨み抗議する
「え?…なぁに?… サラ誘ってんの?」
何故かそう捉えられ
艶っぽい声で囁かれる…
『!?…ちょ…誘って無いから!なんなのよ』
「おやおや…フロイド…甘えたさんですね…
サラさんの事お気に召した様で」
「アハっ♪…ジェイド…そうだよー?
ジェイドも同じでしょ?」
「フフッ…バレてしまいましたか?
えぇ、フロイド。私も興味がねぇ…フフッ」
私を無視し、頭上で進められる会話
(なんか恐ろしい事考えてないかな?君達)
そう思い交互に2人を見ると
つり目の片割れと視線が合った…
「フフッ…そう言う事ですので…
サラさん…覚悟して下さいね?」
頬を片手で包み込まれた後に輪郭をなぞられ
思わずゾクっとしてしまい体を震わせる…
『っ!…楽しんでないで…早くラウンジ!』
即座に“危険“だと感じて
語気を強め、彼等へと促す…
「えぇー…やだぁ…ねぇ〜サラ…
オレの名前呼んだら考えるんだけど…
ねぇねぇ呼んでよ〜♪」
無邪気に甘えてくる…彼の名を呼んでみた
『フロイド…君?』
すると名前を呼んだ君が
抱き締めた力を少し強め…
耳元で囁いてきた…
「呼び捨てで……ねっ?お願い…」
彼の予想外の行動に
戸惑いながらも応える
『え?えっと…フ…フロイド…』
「………はぁ…ねぇ!ジェイド…
オレこのままサラ持って帰っていい?」
抱き締めた力を更に強め
肩に顔を埋めながら
ジェイドへと問いかけるフロイド
「んー…そうですね…日を改めて
い・ず・れ・そういたしましょうかね?」
(はぁ…もう!なんなのこの双子は!!)
自由奔放すぎる双子に少しの怒りを覚えつつ
不適に笑い合う双子に連れられ
そのままラウンジへと向かう