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あなただけを…

第8章 ➖新たな日常と契約➖


『はぁ、サービススタッフになれ…
 給金は他より色を付ける…ねぇ…」

「悪くない話でしょ?僕と契約を……」

『給金より護衛にしてくれる?
 自分の身は守れるけど…念のためね
 月に1度でいい…回数を超えたら…
 そうね…1回につき1万マドルを支払う…
 コレでどうよ?』

「えぇ…まぁ、いいでしょうその条件で…
 絞れるだけあなたから搾り取りましょう」

最後は小声で囁いていたが…
私の耳にはしっかりと届いていた。

聞こえなかったフリをして話しを続ける

『護衛は誰を…?』

「僕たち3人の中から誰か…と、言うのは?」

『それでいいわ」

「では、契約書にサ……」

『サインはしない…代わりにコレで…』
 
君の言葉を遮り
私は自国の硬貨を並べて見せる…

「コレは…見た事がありません…」

『そうでしょうね…あなたが知る由もない国…
 フフッ…コイン集めが好きな”あなた”なら
 喉から手が出る程欲しくない?
 見た事も無い…異国の硬化…
 希少価値も高いハズ…そうでしょう?』

ゴクリ…と、生唾を飲み込む音がした…
そんな彼を見逃すハズが無い
私は更に畳み掛ける…
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