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あなただけを…

第8章 ➖新たな日常と契約➖


=モストロ・ラウンジ/VIPルーム=

扉を開け入る様に促され
対面になる様に椅子へと腰を掛け
彼が口を開いた

「さて、これで…
 あなたとゆっくり話せますね…
 色々お聞きしたい事が…あります…」

彼の薄っぺらい笑みに
怒りが込み上げてしまった

『ねぇ…質問には答えてあげる…だから…
 その似非笑いやめてくれない?
 見てて苛々する…』

(私の知ってる”あなた”は…アズールは…
 そんな風に笑わない)

距離を取るべきだと頭ではわかっていても
感情を抑えられずにいた…

「なっ……あなた…本当に失礼な人ですね…
 まぁ…良いです…僕は、海の様に深く
 慈悲深い男なので…」

『男……フッ…坊やの間違いでしょ?』

彼の事だからだろうか
いつもの様に聞き流す事が出来ず
感情をぶつけてしまう…

「は?…舐めてると痛い目に……
 おっと失礼…本題ですが……」

一瞬怒りを露わにするものの
冷静さを取り戻し長々と説明を始める彼
そんな彼の対応に冷静さを取り戻し
静かに話しを聞いていた…
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