第7章 ➖2人だけの式典➖
=知らない廃墟=
暫く歩いていると…
廃墟へと到着する…
(なんか出そうな感じの場所ね〜…)
➖キラキラッ➖
この黄緑の光……
「久しいな… サラ」
光が弾けると同時に現れた
2本の角に2m越えの男が現れた
『マレウス…5年振りね…お久しぶり』
「おや?最後に見た頃より若返ったか?」
『そうね…色々あって…ね…』
昨日の事を思い出し
また涙が溢れそうになるのを我慢し
言葉を濁す…
「どうした?顔を上げてみよ…」
少し身体を屈めて
私の顎をクイッと指先で持ち上げるマレウス
『っ…ちょ…ヤダ…』
顔を背けようとするが
それを許されるハズもなく
マレウスと目が合ってしまう
「どうした?その様に涙を浮かべ…
瞼も腫らして…」
そう言って頬に伸びる手
その優しい温もりと…
優しい眼差しや彼の言葉に
抑えていた涙が溢れ
彼に抱き付いていた…
泣きながら全てを話す
両親の死と孤独だった苦しみ
全てを…信頼する友に……いや…
家族にだからこそ見せられる弱音を…
「そうであったか…苦労したな…」
子供をあやす様に優しく…
背中や頭を撫でながら抱き締めてくれる…
その優しさに更に涙が溢れ
嗚咽を漏らし…
赤子の様に泣き続ける…
『っ…ふっ…ありがとうマレウス…
話しを聞いてくれて…』
泣き過ぎてまだ息が整わぬ中
彼へと感謝を口にする…
「ふっ…まるで子供だな…
僕はリリアを呼びに行くべきか?」
『っ…大丈夫。ふぅ……
て、リリアちゃんも学園に?』
「あぁ、シルバーやセベクもな…
何れ会えるだろう…」
『フフッ…そうね…楽しみにしてるわ…』
積もり積もった感情を吐き出せた事で
少し心が軽くなった…
『マレウス…また会えるかな?』
「あぁ…僕の部屋に来るか…
人気の無い場所で僕を呼べばいいさ…」
『ありがとう…マレウス』
曇りなく笑う私に
「フッ… サラは笑っている方がいい…」
手を私の頬に添え…
キバをチラリと覗かせて
笑い返すマレウス…
その笑顔にドキッしてしまい
顔が紅潮してしまう私…
心が落ち着いたところで
とある事を思い出すのだった…