第54章 ➖染まるキミ➖
「ふな”っ!アイツ、足がタコになったんだゾ」
その声で
いつの間にかグリムやユウ達が居た事に気付く
『あれが、海の中でのアズールの姿…』
「お前…俺よりも歳上か?
だからあんなに魔法が…
いや、今はアズールを正気に戻すことが
最優先だな」
「そうッスよレオナさん…
じゃないとオレたちもイソギンチャクに
されちまうッス!」
『回復と防御は任せて。みんなは攻撃を……』
「あ!攻撃が来るんだゾ!」
アズールがこちらに向かって攻撃を仕掛ける
その攻撃から全員を守り、反撃する
数回繰り返すも埓が明かない…
『これじゃダメね…みんな!
押さえつけるから一気に畳み掛けて!!』
−パチン−
彼の身体に海藻を巻き付け拘束し
動きを止める
それを見て一斉に攻撃を仕掛ける
「取引しましょうよ…
僕と取引しましょうよ……」
「いつものアズールとだったら取引しても
いいけど、今のアズールとはヤだな…」
「『同間/です』」
「そうやってみんな僕をいじめる!
僕がグズでノロマなタコだから?
僕はただ、力を手に入れてアイツらを
見返して…見返したらあの人を…
あなたを取り戻したかっただけなのに…!
僕は……僕はただ……っ!」
アズールが倒れ込み
黒いモヤが抜け
いつもの彼の姿へと戻った…