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あなただけを…

第39章 ➖知らない気持ち➖


=モストロ・ラウンジ VIPルーム=


「そこにどうぞ…
 もう少しあなたには話がありますからね…」

ソファーに座る様アズールに促される

『ちゃんと話はするから…。その前に…
 あなたの傷を治しても…?』

「あぁ…そうでしたね…どうぞ…」


−パチン−

先程の彼の傷を塞ぎ
次にユニーク魔法を発動させる

『癒しの雫[ヒーリング・ドロップス]
 アズール…コレを胸の辺りに当ててみて?』

「これは…?あなたのユニーク魔法ですか…」

『そうよ。まぁ、説明するよりは…ね?』

そう促すと頷き短く返事をし
胸に当てる
すると…結晶が体内へと吸い込まれていく

「あなた…これは体力だけではなく魔力まで」

『そうよ…。
 両方回復するのなんて珍しいでしょ?
 頼まれても上げないけどね?』

「そう言われる気はしましたよ…。
 さて、そろそろ本題に入りましょうか…
 何故あの様な無謀なことをしたんです?」

『……彼等が許せなかっただけよ。
 努力家な君の事だから対策ノートも
 自分の力で作りあげた物なんでしょう?
 それを、あの子達は…何も知らないで…
 今の君は頑張り屋さんでもあるか……』

「え?…僕の為に?いえ、それよりも…
 あなたは分かっているのですね…
 僕のことが…。そうですか…。
 それにしても、なんのメリットもあなたには
 ないでしょ…なのになぜ?」

『そうね。いつか言える時がきたら答えるよ?
 答えになってない事を許してね。
 もういいかな?そろそろ帰らないと…』

これ以上居ると
全てを打ち明けそうになってしまう…
そう感じて
この場を去ろうとする

「待って下さい!話しはまだ…
 あなたはなぜ泣いて…いえ
 帰ってきて下さいね?サラさん…」

『……アズールもそう言ってくれるんだね。
 いつか気持ちの整理が出来たら帰るよ?
 ちゃんとこの気持ち忘れるからね…
 ふふっ…バイバイ…アズール』

微笑みながらそう言って彼の元を去る
振り返る事もせず…

鏡を抜け学園へと戻る…
無意識にあの場所へと辿り着いてしまった
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